日頃からラポール上大岡で指導補助としてご活躍頂いている横川さんが、東京2020オリンピック・パラリンピックで大会ボランティアとして参加されました!
今回は大会の様子を伺いたいと思います。
―まずは長期間のボランティア活動、お疲れ様でした
ありがとうございます。
世界トップレベルの技術・緊張感など色々と経験させてもらい、終わる時は名残惜しい気持ちでいっぱいでした。
―BASEL(横浜市障がい者スポーツ指導者協議会)としてプログラムなどを指導して頂いていますが、そもそも障害者スポーツに携わろうと思ったきっかけはなんですか?
もともと養護学校などで水泳の指導・手伝いをしていました。BASELに入会したきっかけは2005年の長野で行われた「スペシャルオリンピックス冬季世界大会」で、キューバ選手団長の通訳(スペイン語)ボランティアが決まり、冬季スポーツも含めて障害者スポーツをもっと知りたいと思ったのが始まりです。
その後、障害者水泳を中心に横浜市や神奈川県、東京都などでもボランティアを続けていましたが、やはり海外へ目が向き2014年からはJICAボランティアとして南米のチリに赴任し、日本の所沢にある国立障害者リハビリテーションセンターの技術協力援助を受けたチリの国立障害者リハビリテーション病院で障害者スポーツに携わっていました。
残念ながら昨年コロナの影響で急遽帰国することとなってしまいました。その後任期が終了、私のチリへの支援活動は終わっています。
―なぜスペイン語の勉強を?
1996年から2年間、JICA青年海外協力隊として南米ボリビアに赴任した経験があります。そこでスペイン語を身につけました。その時は体育教師として派遣されました。
―今大会は特定の国に帯同されたとお聞きしましたが、どちらの国ですか?
オリンピックでは「ニカラグア専属アシスタント」、パラリンピックでは「チリ専属アシスタント」という役割を任されました。
特に今までのチリでの経緯もありましたので、パラリンピックでのボランティアは特別な思いがありました。チリの選手やスタッフの殆どは顔見知りの方々でしたので、まずは再会にビックリです!そして私のことを『チリチームの一員』として迎えてくれました。
―「アシスタント」とは具体的にどのようなことをされたのでしょう?
選手村で選手団を迎え、宿泊や練習・大会会場への移動の確認やサポート。会議や試合への同行、選手村内外での買い物と様々でした。例えば、朝一で予選があると早朝から選手村へ行き、会場行きのシャトルバスに同乗して試合会場へ。
場内アナウンスや試合情報等を取りこぼしのないようにサポートし、そして一緒に応援しました。昼には一度選手村へ戻りお昼を食べ終わると、チリのオフィスでの事務仕事や買い物を頼まれたり。その後、夕方の決勝に合わせて試合会場へ同行し、決勝や表彰式を終えてホテルに戻ると22時を過ぎていました。
どんな大会でもそうですが、選手が主役ですのでチーム一丸となってそれぞれが役割を考えてフォローする大切さも学び、喜びや悔しさも一緒に分かち合いました。
―大会期間中、印象的だった事などありましたか?
それぞれの選手にそれぞれのエピソードがあり、どれも心に残っています。チリの選手では…水泳と陸上の2つです。
水泳に出場したアルベルト選手は前回のリオ大会では障害クラスS3で出場していましたが、進行性の病気で今回の東京大会はS2クラスで出場となりました。病気の進行により身体の機能は低下し、身の回りのことでもできることが少なくなり、今回は妹さんがスタッフとして同行していました。そんなアルベルト選手はなんと『100m背泳ぎで優勝!50m背泳ぎと200m自由形で2位!合計3つのメダル!』を取りました。
私は大会前の練習から一緒に引率をさせてもらい、衣類の着脱や荷物持ちを行っていました。表彰式の後、そんな私に本物のずっしりと重たいメダルを掛けてくれたのは…感動でした!
陸上に出場した車いす砲丸投げのフランシスカ選手(障害クラス:F54)ですが試合当日、選手とコーチは大会組織員会のタクシーで会場に向かいましたが、会場周辺の厳しい道路規制で運転手は道に迷い、新国立競技場へ着く時間になっても到着せずにスタッフと私はハラハラドキドキしていました。コーチからの電話で理由が分かり、招集前に行っておく諸手続きは理由を説明して代行しました。
選手は招集時間の1分前に会場に到着。「何もなかったかのように振る舞い、他の国の選手達にはこちらの焦る様子を見せないように!」とチリチームからの指令でチーム一丸となって選手の心理面もサポートしました。しかし、試合ではなんと『世界新記録で金メダル獲得!』その瞬間は私も鳥肌が立ち、選手の心の強さ・集中力に脱帽する思いでした。
―最後にパラリンピックを終えて、感じたことを教えてください
今回は自国開催のパラリンピックでしたので、多くの競技種目そして日本人の活躍をテレビで解説し、放映されました。まずは障害者スポーツへの興味・知名度が上がってくれることを期待しています。
また、このような国際的な大会は障害者に対する意識や考え方を変えていく転機になると思います。スポーツだけではなく障害のある人達へのハード面、ソフト面も含めたバリアが少しずつでも無くなるような社会に、そんな変化の始まりになって欲しいと思います。
どうもありがとうございました。
―横川さん、ご協力ありがとうございました。
part2では別の方のインタービュー記事となっています。
別の競技や別の視点から見た内容で、興味深い記事になっています!
そちらも見てみてください😃